Gray's Diary in Munich

趣味のパン屋、カフェ巡り、子供の教育関係などドイツでの日々について

進路決定の時期 ドイツの意外とシビアな進学事情

2024、2025年度に新5年生になる子供たちの進路決定の時期がやってきました。

小4の成績で将来の選択肢が大きく分かれてくるドイツ。

海外の学校生活というと、のびのびとした環境といったイメージをもたれがちですが、

実は意外とシビアなドイツの進学事情をお伝えします。

(※バイエルン州での体験を元に書いています。他州では事情が異なることもあります)

 

 

1.5年生からの進学先、どんな学校があるの?

日本の中高にあたる学校は、大きく分けて下の3つのタイプになります。

・ギムナジウム(大学進学を見据えた中高一貫の進学校)

・レアルシューレ(単科大学、専門学校への進学を見据えた学校)

・ミッテルシューレ(職業学校への進学を見据えた学校)

今回は、進学先として人気の高いギムナジウムに焦点を絞ってこの後の記事を書いていきます。

 

2.ギムナジウム入学の条件

入学試験などはありませんが、ドイツ語、算数、理科社会の複合科目の成績が平均が2,33以上であることが求められます。(日本と違い5ではなく1が最高です)

入学申し込みには、この成績とどのタイプの学校が相当かが書かれた推薦状(Empfehlung)を提出します。

 

推薦状自体は4年生の4月から5月頃にもらいますが、実際には1月の中間成績で内容はほぼ決まってくるので、4年生の前半、もう少しいうと3年生の後半からの成績には気を付けないといけません。

我が家の子供が通っていた学校では、11月の担任との面談時点で3年生までの成績を参考にギムナジウム、レアルシューレ、ミッテルシューレの推薦がほぼ決まっていました。4年生はテストだらけなので、11月の面談で例えばレアルシューレだったとしてもその後のテストで挽回可能なのでは?と思っていたのですが、周囲の子供の結果を聞いている限り挽回できた子はほぼいなかった様子です。

 

3.入学条件に満たなかった場合の救済措置

州によっては、仮に成績が足りなかったとしても本人や親の意向でギムナジウムに進学、その後1、2年ほど様子見という制度もある中、バイエルン州はその辺りスパっと切られます。ただ、3日に渡るProbeunterricht(お試し授業)という名のテストを受けてそれに合格すれば入学が認められます。このテストは各ギムナジウムで行われるので、必要な方は進学希望先の学校に問い合わせてみてください。

Probeunterricht münchen で検索すると、過去問題が載っているサイトがヒットします。どんなテストなのか内容が大体分かると思います。

 

4.入ってしまえばもう安心?

ギムナジウム入学には日本の難関校のような難問が解ける必要はありませんが、授業の進度は早く自力でついていけない子は落第や退学など容赦なくふるい落とされていきます。進学塾などもないので、自力でできる子だけが残ればいい、無理して皆が皆大学に行く必要はないというスタンスは合理的といえば合理的。

卒業時の人数は入学時の人数から3分の1から4分の1減っているのが普通といわれているのもうなずけます。

 

5.2024/2025の入学申し込み日は?

今年度の申込日は5月6日。(私立の学校は独自の日程があります)

Probeunterrichtは5月14日から16日です。

例え成績が足りていても、申し込みの多い人気ギムナジウムは人数の関係で入れないこともあります。公立の場合は、学校の近くに住んでいる生徒が優先されます。枠に漏れた場合に備えて、入学申し込み用紙には第二第三希望の学校名の記入が必須です。

 

9月からの新生活に向けて希望の進学先に無事入学できるといいですね。